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セックスレシピの作り方

『あなた専用の、セックスレシピを。』セックスは「する」ものではなく、「つくる」ものだ。

言葉になる前の、純粋な形のない何かを少しでも愛して死んでいきたい。

藤井みのりについて 自分を愛する生き方

 

言葉なんてものがなければいいのに。言葉が生まれる前の、純粋な「そのもの」を少しでも長く愛していたい。言葉になってしまった瞬間、ピントがずれて薄っぺらくなってしまうのが嫌で、自分の思考が言葉を紡いだ瞬間に脳味噌を撃ち抜きたくなる衝動にしばしば駆られていた。

 

 

うまく説明出来るかわからないのだけれど、言葉とか名前といったものがなければ、もっとそのものを愛せたのかもしれないと思うのだ。例えばあるひとつの山をとっても、それはずっと昔は海底の土だったろうし、私という人間も生まれる前と死んだあとはまったく別の形になるわけで、だから藤井みのりなんて形を為しているのは一瞬のことで、その奥のもっと深いつながりを見ていたい。カヤノヒデアキという人間を全身全霊で見つめている時、彼がカヤノヒデアキという形を成しているのことなんて忘れているように。広大な美しい景色を見る時にあれがなんとか山であれがなんの木であの雲はなんとか雲、なんてことを1ミリも考えないように。

 

 

言葉にした瞬間に、すべてに方向性が加えられる。言葉に含まれる繊細な善悪や価値観のニュアンスについ足をとられてしまったり、それを内包して伝わってしまったり。カンボジアで友人に「あの花はなんて名前なの?」と訊いた際に、「こっちは名前がないことが多いんだよ。だから、その質問をすると、『花だよ』って帰ってくるの。笑」と返ってきて、それはすごく素敵だなと思った。これが何の花だからとかどんな花言葉があるからとか高価な花だからとかではなくて、ただただ美しかったから渡したいと思ったと言われて手渡されたなら、どんなに嬉しいだろうと思ったのだ。

 

そんな風に最近考えているから、アドバイスみたいなものもどんどん出来なくなっている自分がいる。勿論それらしいことを言おうと思えば言えるし、その方が相手もその時は納得したり問題的なものが解決したように見えて喜んでくれたりする。でも、それをしたときにある種の虚しさみたいなものが自分の中を吹き抜けていく。そうじゃ、ないんだ。それは本来相手から湧き出てくるもので、私からどれだけ渡してもそれらは一瞬で枯れていってしまう。花の名前や意味を渡しているようなもので、花そのものの美しさは渡すことができない。

 

 

 

最近は、人間と人間の間で生まれるものの総量には限界があるなと感じている。どれだけ愛がそこにあろうと、どれだけ目の前の相手を無限に愛していても、そのそもそもの無限の総量が対自然であるときと圧倒的に違う。そのとき目の前に存在するいのちの数の差なのかもしれないが、心の底から愛する人に対峙するときと自然に対峙するときとでは、後者のほうが自分の奥底から湧き出てくるものの総量が比べものにならないくらいに、大きい。

 


 

だから、自然の中で1人になる時間をより大事にしていきたいと感じている。何かを伝えるをことは大切だし、寂しがりな私はついそれを選びがちだけれど、シェアしたときに伝えるそれはもう大分伝えたいそのものとは形が違ってしまうし、そもそも湧き上がってくるものより伝えることを大切にしてしまっては、ずっと同じことを伝えるばかりで何も自分の中の変化がなくなって、ただの空っぽの会話にしかならない。空っぽのそれはすごくつまらないのだ。そのつまらないものを繰り返すたびに、私の中の何かが枯れていってしまう。そのうち花そのものの美しさに気付く感覚も枯れていってしまうのではないかと思う。

 

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そんなこんなで、ヒデアキとの旅も終わり、自分の中で一度「ゼロ」になるという期間をそろそろ終わりに迎えたい。脳味噌を撃ち抜きたくなりながら自分なりに一生懸命に耳を傾けてたどり着いたのは「原点に還れ」ということだった。わからなくなったら、原点に還る。そこには自分という存在と同じ旋律のようなものが流れていて、それを思い出すことが、もう一度生まれ直すということのような気がした。また新しい、自分に飽きることのない自分を選んで歩き続けていきたいと思う。





 


藤井みのり

 

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